
第二種電気工事士の学科試験では、配線図を使った問題が20問出題されます。
図記号や器具の名称は暗記でも対応できますが、次の問題でつまずく人は少なくありません。
- 最少電線本数を求める問題
- リングスリーブの種類と刻印を選ぶ問題
- 差込形コネクタの種類と個数を求める問題
これらの問題は難しく見えますが、解く手順はほぼ決まっています。
この記事では、配線図問題の中でも特に間違いやすい3分野について、初心者向けに順番に解説します。
配線図問題を解くための基本
配線図問題で最初に確認するのは、次の2点です。
- どの器具と器具がつながっているか
- 同じ接続点に何本の電線が集まるか
配線図に描かれている1本の線が、実際の電線1本を表しているとは限りません。
配線図は、複数の電線が通る配線経路を1本の線で表しています。
そのため、最少電線本数や接続材料を求める問題では、必要に応じて単線図を複線図に直して考えます。
最少電線本数の数え方
最少電線本数を求めるときは、次の順番で考えます。
- 問題で指定された配線区間を確認する
- その先にあるスイッチと負荷を確認する
- 電源線・接地側電線・返り線・渡り線を書き出す
- 指定された区間を通る電線を数える
片切スイッチだけの場合
片切スイッチだけが並んでいる場合は、基本的に次の考え方が使えます。
最少電線本数=スイッチの数+共通の電源線1本
例えば、同じ場所に片切スイッチが2個あり、それぞれ別の照明を操作する場合に必要な電線は、次の3本です。
- スイッチへ送る共通の電源線:1本
- 照明Aへの返り線:1本
- 照明Bへの返り線:1本
したがって、最少電線本数は3本となります。
【図解挿入:片切スイッチ2個と照明2台の配線】
ただし、3路スイッチや4路スイッチ、コンセント、接地線などが含まれる場合は、単純に「スイッチの数+1」では求められません。
3路スイッチがある場合
3路スイッチは、1つの照明を2か所から点灯・消灯するときに使用します。
2個の3路スイッチ間には、切り替えに使用する2本の渡り線が必要です。
さらに、電源線または照明への返り線が必要になるため、どの配線区間を問われているかを確認しなければなりません。
3路スイッチが含まれる問題では、暗算だけで処理せず、簡単な複線図を書いて確認した方が確実です。
【図解挿入:3路スイッチ回路の複線図】
リングスリーブ問題の解き方
リングスリーブの問題では、次の3つを答えます。
- 使用するリングスリーブの大きさ
- 必要な個数
- 圧着後の刻印
ここで大切なのは、ケーブルの本数ではなく、同じ接続点に集まる心線の太さと本数を数えることです。
リングスリーブ問題を解く手順
- 指定されたジョイントボックスを確認する
- ボックスにつながる器具と配線を確認する
- 単線図を複線図に直す
- 同じ接続点に集まる心線を数える
- 接続点ごとにスリーブの大きさと刻印を決める
黒線だからといって、すべての黒線を接続するわけではありません。
色ではなく、電源線・接地側電線・返り線などの役割で接続を判断します。
【図解挿入:接続点ごとに色分けした複線図】
よく出るリングスリーブと刻印
| 電線の組合せ | スリーブ | 刻印 |
|---|---|---|
| 1.6mmを2本 | 小 | ○ |
| 1.6mmを3~4本 | 小 | 小 |
| 1.6mmを5~6本 | 中 | 中 |
| 2.0mmを2本 | 小 | 小 |
| 2.0mmを1本+1.6mmを2本 | 小 | 小 |
| 2.0mmを2本+1.6mmを1本 | 中 | 中 |
特に間違いやすいのが、1.6mmを2本接続する場合です。
使用するスリーブは「小」ですが、刻印は「小」ではなく「○」になります。
1.6mmを2本だけ接続するときは、小スリーブ・刻印○と覚えましょう。
リングスリーブの個数
リングスリーブは、接続点1か所につき1個必要です。
例えば、複線図の中に次の接続点があるとします。
- 1.6mmを2本接続する場所:2か所
- 1.6mmを4本接続する場所:1か所
- 1.6mmを5本接続する場所:1か所
この場合に必要なリングスリーブは、次のとおりです。
- 小スリーブ・刻印○:2個
- 小スリーブ・刻印小:1個
- 中スリーブ・刻印中:1個
合計4個です。
差込形コネクタ問題の解き方
差込形コネクタの問題も、基本的な考え方はリングスリーブと同じです。
最初に複線図を書き、同じ接続点に集まる電線の本数を数えます。
その本数に合った差込形コネクタを選びます。
- 2本を接続:2本用
- 3本を接続:3本用
- 4本を接続:4本用
- 5本を接続:5本用
差込形コネクタの個数
差込形コネクタも、接続点1か所につき1個必要です。
例えば、複線図に次の接続点がある場合を考えます。
- 2本接続:1か所
- 3本接続:2か所
- 4本接続:1か所
必要な差込形コネクタは、次のとおりです。
- 2本用:1個
- 3本用:2個
- 4本用:1個
合計4個となります。
【図解挿入:接続点と差込形コネクタの対応】
リングスリーブと差込形コネクタの違い
| 項目 | リングスリーブ | 差込形コネクタ |
|---|---|---|
| 接続方法 | 圧着工具で圧着する | 心線を差し込む |
| 選び方 | 電線の太さと本数で決める | 接続する本数で決める |
| 試験で問われる内容 | 大きさ・個数・刻印 | 口数・個数 |
| 数える単位 | 接続点ごと | 接続点ごと |
どちらの問題でも、いきなり選択肢を見て考えるのではなく、先に接続点を整理することが重要です。
配線図問題で多い間違い
ケーブルの本数を数えてしまう
問題で求められているのは、多くの場合「心線数」です。
VVF2心ケーブル1本なら、内部には2本の心線があります。
ケーブルの本数と心線数を混同しないようにしましょう。
電線の色だけで接続を判断する
黒線同士、白線同士だから接続するとは限りません。
スイッチの返り線などでは、白線を電圧側電線として使用する場合もあります。
色だけではなく、回路上の役割を確認します。
接続点ではなく電線の合計本数で考える
リングスリーブや差込形コネクタは、ボックス内の電線をすべて1つにまとめるものではありません。
同じ役割の電線が集まる接続点ごとに分けて数えます。
スリーブと刻印を同じだと思う
使用するスリーブが「小」であっても、刻印が「○」になる場合があります。
スリーブの大きさと刻印は、分けて確認しましょう。
配線図問題を解くおすすめの順番
配線図問題20問を最初から順番に解く必要はありません。
まずは、短時間で判断できる問題から進めるのがおすすめです。
- 図記号と傍記表示
- 器具や工具の写真鑑別
- 測定器と使用方法
- 最少電線本数
- リングスリーブ
- 差込形コネクタ
電線本数や接続材料の問題で時間がかかった場合は、いったん飛ばして最後に戻りましょう。
分かる問題を先に解くことで、時間と気持ちに余裕が生まれます。
令和8年度上期の問題で練習しよう
令和8年度上期の第二種電気工事士学科試験では、最少電線本数、リングスリーブ、差込形コネクタに関する問題が実際に出題されています。
当サイトでは、問31~問50の配線図問題20問を、問題・解説・答えの順でまとめています。
今回紹介した解き方を確認したら、実際の過去問に挑戦してみてください。
令和8年度上期 第二種電気工事士学科試験|配線図問題20問を徹底解説
https://denki-koujisi.com/r8-denkou2-haisenzu-31-50/
まとめ
配線図問題で大切なのは、線や記号を暗記するだけではありません。
次の手順で整理することが重要です。
- 指定された配線区間を確認する
- 器具とスイッチのつながりを確認する
- 必要に応じて複線図を書く
- 同じ接続点に集まる心線を数える
- 電線の太さと本数に合った接続材料を選ぶ
特に、最少電線本数・リングスリーブ・差込形コネクタの3分野は、解き方を一度覚えると安定して得点しやすくなります。
最初は時間がかかっても、複線図を書きながら繰り返し練習して、配線図問題を得点源にしていきましょう。



