電気工事で使うCADを比較!Rebro・Tfas・AutoCAD・Jw_cadの違いとおすすめ

電気工事の施工図を作成するためにCADを選ぼうとしても、

「RebroとTfasはどちらが使いやすい?」
「無料のJw_cadでも問題ない?」
「AutoCADを覚えた方が仕事の幅が広がる?」

このように迷う人は多いのではないでしょうか。

電気工事で使われるCADには、それぞれ得意分野があります。単純に有名なCADを選ぶのではなく、作成する図面や現場の規模に合わせて選ぶことが重要です。

結論からいうと、私が電気設備の施工図作成でおすすめするのは「Rebro(レブロ)」です。

この記事では、電気工事で使用される代表的なCADについて、現場目線で特徴や向いている人を比較します。

電気工事で使われる代表的なCAD

今回比較するCADは、次の4種類です。

  • Rebro(レブロ)
  • CADWe'll Tfas(ティーファス)
  • AutoCAD(オートキャド)
  • Jw_cad(ジェイダブリューキャド)

それぞれの特徴を簡単にまとめると、次のようになります。

CAD主な特徴向いている用途
Rebro建築設備専用の3次元CAD・BIM対応電気設備施工図・3D調整・設備連携
Tfas建築設備向けの専用CAD電気設備図・施工図・設備工事
AutoCAD汎用性とDWGデータの共有性が高い2D図面・他業種とのデータ共有
Jw_cad無料で使える2次元汎用CAD小規模工事・簡単な施工図・CAD練習

結論:電気設備の施工図ならRebroがおすすめ

私が電気設備の施工図作成で最もおすすめするのはRebroです。

Rebroは建築設備専用の3次元CADで、電気・空調・衛生などの設備モデルを作成できます。平面図だけでなく、断面図や3D表示を使って設備同士の位置関係を確認できる点が大きな特徴です。

公式サイトでも、モデルから平面図、断面図、詳細図などを生成でき、修正内容が関連図面へ連動することが紹介されています。

参考:Rebroとは|NYKシステムズ

Rebroをおすすめする理由

  • 電気設備の作図機能が充実している
  • ケーブルラックや配管を3Dで確認できる
  • 建築・空調・衛生設備との干渉確認がしやすい
  • 平面図と断面図の整合性を取りやすい
  • BIMを使う現場に対応しやすい
  • 属性情報を利用して拾いや集計へ展開できる
  • 将来的な設備BIMへの対応力を身につけられる

電気設備の施工図では、平面図だけを見ていても納まりを判断できないことがあります。

たとえば、天井内には次のような設備が集中します。

  • ケーブルラック
  • 電線管
  • ダクト
  • 冷媒管
  • 給排水管
  • スプリンクラー配管
  • 天井下地
  • 照明器具

Rebroで3Dモデルを作成すれば、高さや他設備との位置関係を視覚的に確認できます。

特に大型現場では「図面を描けること」だけでなく、「他設備と調整できること」が重要です。その点でRebroは、電気工事の施工管理や施工図作成との相性がよいと感じます。

Rebroのメリット

1.平面図と3Dが連動する

Rebroでは、平面図に作図した設備を3Dで確認できます。

平面図上では問題がないように見えても、3Dにするとダクトや配管と干渉していることがあります。施工前に問題を発見できれば、現場での手直しを減らせます。

2.断面図を作りやすい

電気設備の施工図では、ケーブルラックや配管の高さを示す断面図が必要になることがあります。

Rebroは3Dモデルを基に断面を確認できるため、平面図と断面図の不整合を抑えやすいのがメリットです。

3.設備間の調整に向いている

総合図や設備調整では、電気だけでなく空調・衛生設備との納まりを確認しなければなりません。

Rebroは設備全体を3Dで確認できるため、ケーブルラックとダクトの干渉などを把握しやすくなります。

4.BIM対応を見据えられる

今後は、設備工事でもBIMデータを使用する現場が増えると考えられます。

Rebroを扱えるようになれば、従来の2D施工図だけでなく、3Dモデルを使った施工検討や設備調整にも対応しやすくなります。

Rebro2026では、配線管理における経路の自動選択や、レイヤー情報のExcel入出力なども紹介されています。

参考:Rebro2026機能紹介|NYKシステムズ

Rebroのデメリット

Rebroにも注意点があります。

1.導入費用がかかる

無料CADではないため、ソフトの導入費用や保守費用が必要です。

個人がCADの練習だけを目的に導入する場合は、費用が負担になる可能性があります。価格やライセンス条件は変更されることがあるため、導入前に公式サイトや販売窓口で確認しましょう。

2.操作を覚える必要がある

基本的な線や文字だけでなく、設備部材、レベル、属性、ビュー、シートなどを理解する必要があります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、実際の施工図を作りながら操作を覚えると上達しやすくなります。

3.会社や現場によって使用CADが異なる

自社ではRebroを使用していても、元請会社や協力会社がTfasやAutoCADを使用している場合があります。

そのため、Rebroだけでなく、DWGやDXFなどのデータ受け渡しについても理解しておくことが重要です。

CADWe'll Tfasの特徴

CADWe'll Tfasは、建築設備分野で広く使われている設備CADです。

電気設備向けの作図機能が用意されており、電気設備図の作成や3D表示にも対応しています。公式の電気コースでも、電気設備図の作図や3D表示機能が扱われています。

参考:CADWe'll Tfas CADスクール|ダイテック

Tfasのメリット

  • 建築設備専用の作図機能がある
  • 電気設備施工図に対応できる
  • 3D表示を利用できる
  • 設備工事会社で使用される機会がある
  • 専用部品や参考マニュアルが用意されている
  • Tfasを指定される現場に対応できる

Tfasの注意点

  • 導入には費用がかかる
  • 独自の操作方法を覚える必要がある
  • Rebroとのデータ交換では、変換後の図面確認が必要
  • 現場や取引先の使用環境に左右される

RebroとTfasのどちらが優れているかを一律に決めることはできません。

すでに社内でTfasの図面、部品、運用ルールが整っている場合は、Tfasを使用した方が効率的です。一方、BIMや3Dによる設備調整を今後強化したい場合は、Rebroを検討する価値があります。

AutoCADの特徴

AutoCADは、建築・土木・機械・電気など、幅広い分野で利用される汎用CADです。

DWG形式での図面共有に強く、他業種や設計事務所とのデータ受け渡しで使用される機会があります。2D作図だけでなく、3D設計や各種カスタマイズにも対応しています。

参考:AutoCADの機能|Autodesk

AutoCADのメリット

  • 多くの業種で利用されている
  • DWG形式で図面を共有しやすい
  • 2D作図機能が充実している
  • カスタマイズ性が高い
  • 建築設備以外の図面にも対応できる
  • AutoLISPや.NETなどを使った自動化が可能

AutoCADの注意点

AutoCADは汎用性が高い反面、通常のAutoCADだけでは、RebroやTfasのような建築設備専用の作図環境が最初から整っているわけではありません。

また、AutoCADに含まれるElectricalツールセットは、主に電気制御システムや回路図の作成を支援するものです。建物の電気設備施工図や天井内の設備調整とは、用途が異なる点に注意してください。

参考:AutoCAD Electricalツールセット|Autodesk

Jw_cadの特徴

Jw_cadは、Windowsで使用できる無料の2次元汎用CADです。

公式サイトでは、Windows 10とWindows 11で動作する2次元汎用CADとして案内されています。

参考:Jw_cad公式サイト

Jw_cadのメリット

  • 無料で利用できる
  • 2D図面の作成に対応できる
  • CAD初心者でも導入しやすい
  • 小規模工事の簡単な図面作成に使いやすい
  • 個人でも練習を始めやすい

Jw_cadの注意点

  • 建築設備専用CADではない
  • 電気設備部材や属性を自分で管理する必要がある
  • 3Dによる設備調整には向いていない
  • 大規模現場の設備BIMでは対応が難しい
  • JWW形式を使用できない相手とのデータ交換に注意が必要

簡単な2D施工図や図面修正であれば、Jw_cadでも対応できます。

しかし、大型現場でケーブルラックや配管の高さを管理し、他設備との干渉を確認する場合は、RebroやTfasの方が効率的です。

4種類のCADを比較

比較項目RebroTfasAutoCADJw_cad
CADの種類建築設備専用3D CAD建築設備専用CAD汎用CAD2D汎用CAD
電気設備施工図非常に向いている向いている作成可能簡易図面向き
3D設備調整強い対応作成方法による基本的に不向き
BIMへの対応強い対応対応可能基本的に不向き
DWGの受け渡し対応状況の確認が必要対応状況の確認が必要得意変換確認が必要
導入費用有料有料有料無料
初心者の始めやすさ学習が必要学習が必要学習が必要導入しやすい
おすすめ用途設備施工図・BIM・干渉調整設備施工図汎用作図・DWG共有小規模な2D作図

※実際の機能、対応形式、ライセンス条件は、使用する製品やバージョンによって異なります。

用途別のおすすめCAD

電気設備の施工図を本格的に作成したい

おすすめはRebroです。

3Dによる納まり確認、断面図の作成、他設備との調整まで考えると、電気設備工事との相性がよいCADです。

勤務先や取引先がTfasを使用している

Tfasを選びましょう。

CADは単体の性能だけでなく、社内ルール、図面資産、部品データ、取引先との互換性が重要です。

幅広い業種の図面を扱いたい

AutoCADが候補になります。

DWGデータを中心に、多様な取引先と図面を共有する仕事に向いています。

無料でCADの練習を始めたい

Jw_cadが始めやすいでしょう。

まず線、文字、寸法、レイヤなど、2D CADの基本操作を覚えたい人に向いています。

CAD選びで失敗しないためのポイント

1.会社や取引先の使用CADを確認する

自分だけで使用するCADを決めても、会社や取引先とデータを共有できなければ作業効率が落ちます。

最初に、次の点を確認しましょう。

  • 社内で標準になっているCAD
  • 元請会社が指定するCAD
  • 協力会社が使用しているCAD
  • 受け渡しに使うファイル形式
  • 必要なバージョン
  • BIMデータの提出要否

2.作成する図面を明確にする

簡単な2D施工図を作るのか、3Dモデルを使って設備調整まで行うのかによって、選ぶCADは変わります。

大型現場や設備が密集する建物では、3Dによる納まり確認ができるCADが有利です。

3.データ変換後は必ず確認する

異なるCAD間でデータを変換すると、次のような問題が起こることがあります。

  • 文字化け
  • 線種の変化
  • レイヤの崩れ
  • 寸法のずれ
  • 部材情報の欠落
  • 3D形状の変化
  • 印刷範囲のずれ

変換できたことで安心せず、画面表示と印刷結果の両方を確認しましょう。

CAD操作より大切なのは現場を理解すること

高機能なCADを使っても、現場の納まりを理解していなければ、施工できる図面にはなりません。

電気設備施工図を作成するときは、次の点を意識する必要があります。

  • ケーブルラックの支持方法
  • 電線管の施工スペース
  • プルボックスの点検性
  • ダクトや配管との離隔
  • 天井内の有効高さ
  • 照明器具と天井下地の位置
  • 防火区画の貫通処理
  • 点検口からの作業性
  • 将来の配線増設スペース

CADは施工図を作るための道具です。

最終的に重要なのは、現場で安全に施工でき、点検や保守まで考えられた図面になっているかどうかです。

私がRebroをおすすめする理由

私は、これから電気設備CADを覚えるならRebroをおすすめします。

理由は、単に3D図面を作れるからではありません。

平面図、断面図、3Dモデルを連動させながら、他設備との納まりを検討できるためです。電気設備の施工図担当者や現場代理人に必要な「調整する力」を伸ばしやすいと感じています。

特に次のような人にはRebroがおすすめです。

  • 電気設備の施工図を本格的に覚えたい人
  • ケーブルラックや配管の納まりを検討したい人
  • 大型現場の設備調整に関わる人
  • BIM対応の現場で働きたい人
  • 施工管理として図面調整力を高めたい人

ただし、勤務先や取引先がTfasを標準としている場合は、無理にRebroへ変更する必要はありません。

CAD選びでは、機能の多さだけでなく「実際の仕事でデータを共有できるか」が最優先です。

よくある質問

RebroとTfasはどちらがおすすめですか?

BIMや3D設備調整を重視するなら、私はRebroをおすすめします。

ただし、会社や取引先がTfasを標準としている場合は、Tfasを選んだ方が業務を進めやすいでしょう。

Jw_cadだけで電気施工図を作れますか?

簡単な2D施工図であれば作成できます。

一方、3Dでの干渉確認、設備部材の属性管理、大型現場の設備調整には、RebroやTfasの方が向いています。

AutoCAD Electricalは建物の電気設備施工図に向いていますか?

AutoCAD Electricalは、主に電気制御システムや回路図の作成を支援するツールセットです。

建築設備のケーブルラック、電線管、照明器具などを配置し、他設備と3D調整する用途とは分けて考える必要があります。

CAD初心者は何から覚えればよいですか?

最初に次の基本操作を覚えましょう。

  • 線を描く
  • 図形を移動・複写する
  • 文字を入力する
  • 寸法を記入する
  • レイヤを分ける
  • 縮尺を理解する
  • 印刷設定を行う

Rebroを使用する場合は、その後にレベル設定、設備部材の配置、断面表示、3D確認を覚えるとよいでしょう。

まとめ

電気工事で使うCADは、作成する図面と職場環境に合わせて選ぶ必要があります。

  • 設備施工図・3D調整・BIMならRebro
  • 社内や取引先の標準がTfasならTfas
  • DWG共有や汎用作図ならAutoCAD
  • 無料で2D CADを始めるならJw_cad

私のおすすめはRebroです。

電気設備の施工図を作成するだけでなく、3Dで納まりを確認し、他設備と調整できる点は、現場代理人や施工図担当者にとって大きな強みになります。

ただし、どのCADを使う場合でも、最も大切なのは現場を理解することです。

CADの操作だけを覚えるのではなく、「この図面で実際に施工できるか」を考えながら作図しましょう。

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