第二種電気工事士の計算問題は捨てても合格できる?学科試験60点攻略法

第二種電気工事士の学科試験を勉強していると、計算問題で手が止まってしまう人は少なくありません。

「計算問題は難しいから全部捨ててもいい?」
「暗記問題だけで合格できる?」
「数学が苦手でも60点取れる?」

結論からいうと、難しい計算問題を部分的に捨てても合格は狙えます

ただし、計算問題をすべて捨てて、残りを勘だけで答える方法はおすすめできません。

配線図・鑑別・法令・施工方法などの暗記分野を得点源にしながら、オームの法則や電力などの簡単な計算問題を拾うのが、現実的な合格戦略です。

この記事では、高校1年生のときに第二種電気工事士を受験した私の経験をもとに、計算問題が苦手な人向けの60点攻略法を解説します。

第二種電気工事士の合格に必要なのは30問正解

第二種電気工事士の学科試験は、次の形式で実施されています。

項目内容
出題数50問
試験時間120分
出題形式四肢択一
1問の配点2点
合格基準60点
必要正解数30問

電気技術者試験センターによると、出題数は一般問題が30問程度、配線図問題が20問程度です。

つまり、100点を目指す必要はありません。50問中30問正解すれば、合格基準の60点に到達します。

参考:第二種電気工事士・学科試験のポイント

計算問題を捨てても合格できる?

難しい計算問題を部分的に捨てても、合格は可能です。

しかし、ここでいう「捨てる」とは、次のような戦略です。

・時間のかかる交流回路は後回しにする
・過去問を解いても理解できない問題に固執しない
・簡単な直流回路や電力計算は取る
・暗記問題で安定して点数を確保する
・最終的には全問へ解答する

計算問題を一切勉強せず、分からない問題をすべて勘で答える戦略ではありません。

【実体験】高校1年生のときは直流回路を優先した

私は高校1年生のときに第二種電気工事士を受験しました。

当時、直流回路の計算は比較的簡単に感じたため、オームの法則などの基本問題は解きました。一方で、交流回路は難しく感じる部分があり、理解できない問題については部分的に諦めました。

すべての計算問題を完璧にしようとするのではなく、

直流回路の基本問題は取る。難しい交流回路には時間を使いすぎない。

という判断をしていました。

数学が苦手な人でも、オームの法則を使った基本的な問題なら、出題パターンを覚えることで正解を狙えます。

配線図・鑑別を得点源にする

第二種電気工事士の学科試験では、配線図問題が20問程度出題されます。

私は、配線図と鑑別を完璧に近い状態まで覚えることが、合格への近道だと考えています。

仮に配線図・鑑別を中心に20問正解できれば、

20問×2点=40点

を確保できます。

合格ラインは60点なので、残りは20点、つまり10問正解すれば合格です。

ただし、配線図問題のすべてが単純な暗記問題とは限りません。配線本数、施工方法、器具、複線図なども含まれるため、「名称を暗記するだけで必ず40点取れる」という意味ではありません。

過去問を繰り返し、配線図問題全体を解ける状態にすることが重要です。

四肢択一を適当に答えれば合格できる?

四肢択一問題は、完全に適当に選んでも1問あたり25%の確率で正解します。

配線図・鑑別などで40点を確保し、残り30問をすべて勘で答える場合を計算すると、結果は次のようになります。

残り30問の正解数確率合計点
8問以上約48.6%56点以上
10問以上約19.7%60点以上

8問以上当たる確率は約50%ありますが、8問正解では16点しか加算されないため、合計は56点です。

合格に必要な10問以上を勘だけで当てる確率は、約19.7%しかありません。

そのため、

配線図・鑑別で40点を取り、残りは運任せ

という方法では、合格戦略として不十分です。

簡単な2問を取れば、残りは勘でもいい?

仮にオームの法則などの簡単な問題を2問正解すれば、4点を追加できます。

配線図・鑑別の40点と合わせて44点です。残り16点を取るには、あと8問正解する必要があります。

残った28問を完全に適当に選び、8問以上正解する確率は約40.0%です。

何もしないより可能性は上がりますが、それでも約6割は合格点へ届きません。

安全に合格を狙うなら、勘に頼るのではなく、暗記分野と簡単な計算問題を合わせて、模擬試験で70点前後を安定して取れる状態を目指しましょう。

計算が苦手でも取るべき問題

オームの法則

オームの法則は、直流回路の基本です。

V=I×R

この式から、求めたいものに合わせて次のように変形します。

I=V÷R
R=V÷I

電圧・電流・抵抗のうち、2つの値が分かれば残りの1つを求められます。

公式が一つなので、計算が苦手な人でも比較的取り組みやすい分野です。

電力の計算

電力は、次の式で求められます。

P=V×I

例えば、100Vの回路に10Aの電流が流れている場合は、

100V×10A=1,000W

です。

電力の計算は試験対策だけでなく、電気工事の現場でも役立ちます。

電力量の計算

電力量の基本式は次のとおりです。

電力量=電力×時間

例えば、1,000Wの機器を2時間使用した場合は、

1,000W×2時間=2,000Wh=2kWh

となります。

単位を確認しながら計算するのがポイントです。

合成抵抗の基本

直列回路の合成抵抗は、各抵抗を足します。

R=R1+R2+R3

並列回路は少し複雑ですが、同じ抵抗値が2本並列に接続されている場合は、抵抗値が半分になります。

すべての難しい公式を覚えるのではなく、まずは過去問で頻繁に見る基本パターンを取れるようにしましょう。

計算問題以外で20点を取る

配線図・鑑別で40点を取ったとしても、残り20点を勘に頼ってはいけません。

次のような暗記分野でも得点できます。

・電気工事に使用する工具
・電線やケーブルの種類
・配線器具の名称と用途
・施工方法
・検査方法
絶縁抵抗値
接地工事
・電気工事士法などの法令

計算が苦手な人ほど、これらの暗記問題を確実に取ることが重要です。

目標点の一例

分野目標点
配線図・鑑別40点
工具・材料・施工方法10点
法令・検査8点
簡単な計算問題6点
合計64点

これはあくまで一例ですが、勘に頼らず60点を超える形になっています。

本番では緊張や読み間違いもあるため、過去問では70点以上を安定して取ることを目標にしてください。

問題は暗記分野から解くべき?

一般的には、暗記問題や自信のある問題から先に解き、時間のかかる計算問題を後回しにする方法が推奨されます。

しかし、必ずしも全員が同じ順番で解く必要はありません。

私は過去問演習の段階から、最初の問題から順番に解いていました。本番でも同じ順番で解きました。

理由は、過去問を繰り返すうちに、

問題番号1から順番に解くルーティン

が出来上がっていたからです。

途中から解くよりも、普段と同じ流れで解いた方が集中できました。

重要なのは「暗記問題から解くか」「最初から解くか」ではなく、過去問演習で自分の解き方を決め、本番でも同じルーティンを再現することです。

最初から順番に解く場合のルール

最初から解く場合でも、難しい問題で止まってはいけません。

・分からない問題には印を付ける
・一定時間考えて解けなければ飛ばす
・最後まで進んでから戻る
・全問へ解答する
・見直し時間を残す

このルールを決めておけば、計算問題で時間を使いすぎることを防げます。

オームの法則は現場でも使う?

電気工事の現場で、オームの法則をそのまま使って毎日計算する場面は、それほど多くありません。

しかし、電圧・電流・抵抗の関係を理解しておくことは、現場でも必ず役立ちます。

例えば、次のような場面です。

・電圧降下を考える
・負荷電流を確認する
・回路容量を検討する
・測定値がおかしい原因を考える
・機器の不具合を調査する

実務では、オームの法則よりも次の計算を使う機会が多いかもしれません。

電力P=電圧V×電流I
電力量=電力×使用時間

負荷容量やブレーカー容量を検討するときは、電力と電流の関係を理解している必要があります。

試験に合格するためだけに公式を丸暗記するのではなく、「電圧・電流・抵抗・電力がどのようにつながっているか」を理解しておくと、現場に出てからも役立ちます。

計算問題が苦手な人の勉強手順

1.最初に過去問を1回解く

最初から全問正解を目指す必要はありません。

過去問を解いて、

・すぐに解ける問題
・覚えれば取れる問題
・公式が一つなら取れそうな問題
・時間をかけても分からない問題

に分けます。

2.配線図・鑑別を優先する

配線図記号、器具、材料、工具などを繰り返し覚えます。

画像を見て、名称だけでなく用途や施工場所まで答えられる状態を目指しましょう。

3.簡単な計算問題だけ練習する

まずは次の公式に絞ります。

・V=I×R
・P=V×I
・電力量=電力×時間
・直列回路の合成抵抗

公式を覚えたら、同じ形式の過去問を繰り返します。

4.暗記分野で点数を上積みする

施工方法、検査、法令、接地工事などを覚え、計算問題以外で60点を超えられる力を付けます。

5.過去問で70点以上を安定させる

一度だけ60点を取れても安心できません。

問題による得意・不得意や本番の緊張を考えると、過去問では70点以上を安定して取れる状態が理想です。

まとめ

第二種電気工事士の学科試験は、難しい計算問題を部分的に捨てても合格できます。

ただし、計算問題をすべて諦め、残りを勘だけで答える方法は危険です。

合格するためのポイントは次のとおりです。

・配線図と鑑別を得点源にする
・工具、材料、施工方法、法令も覚える
・簡単な直流回路は捨てない
・オームの法則と電力計算は取る
・難しい交流回路に時間を使いすぎない
・過去問で自分の解答ルーティンを作る
・練習では70点以上を目指す
・本番では分からない問題も空欄にしない

100点を取る必要はありません。

ただし、60点ぎりぎりを運で狙うのではなく、取る問題と捨てる問題を決め、実力で合格点を超えられる状態を作りましょう。

【関連記事】


→「第二種電気工事士の鑑別問題の覚え方

→「第二種電気工事士の配線図記号まとめ

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