
パイロットランプの結線には、主に次の3種類があります。
- 常時点灯
- 同時点滅
- 異時点滅
第二種電気工事士の学科試験や技能試験では、「スイッチがONのとき、パイロットランプはどうなるのか」「負荷とパイロットランプをどのように接続するのか」が重要です。
しかし、3種類の違いを丸暗記しようとすると、接続方法を混同しやすくなります。
この記事では、パイロットランプの点灯方式と結線方法を、回路図を使って分かりやすく解説します。
※本記事の図は、電圧検知型のパイロットランプと片切スイッチを使った基本回路を概念的に示したものです。実際の施工では、使用する器具の定格・端子表示・メーカー結線図・設計図書を必ず確認してください。
パイロットランプとは
パイロットランプとは、電気回路の状態を確認するために使用する小型の表示灯です。
スイッチの近くに取り付け、負荷が運転しているか、スイッチの位置がどこにあるかなどを確認するために使います。
例えば、次のような場所で使用されます。
- 換気扇の運転表示
- 屋外照明の点灯確認
- 離れた場所にある照明の確認
- 暗い場所でのスイッチ位置表示
- 機器の通電状態表示
パナソニックの解説では、電圧検知型パイロットランプの接続方法として、常時点灯・同時点滅・異時点滅が紹介されています。
パイロットランプの3つの点灯方式
3方式の違いは次のとおりです。
| 点灯方式 | スイッチON | スイッチOFF | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 常時点灯 | 点灯 | 点灯 | スイッチ位置の確認 |
| 同時点滅 | 点灯 | 消灯 | 負荷の運転状態確認 |
| 異時点滅 | 消灯 | 点灯 | 暗い場所でのスイッチ位置確認 |
「同時点滅」と「異時点滅」の違いをしっかり覚えましょう。
同時点滅
スイッチと負荷がONになると、パイロットランプも点灯します。
異時点滅
スイッチと負荷がOFFになると、パイロットランプが点灯します。
負荷とパイロットランプの状態が反対になるため、「異時」と覚えると分かりやすくなります。
回路図に使用する記号
この記事の回路図では、次の記号を使用します。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| L | 非接地側電線 |
| N | 接地側電線 |
| S | 片切スイッチ |
| PL | パイロットランプ |
| LOAD | 照明や換気扇などの負荷 |
図は回路の関係を理解するための概念図です。実際の器具の端子位置や端子番号を示したものではありません。
常時点灯の結線方法
常時点灯とは、スイッチのON・OFFに関係なく、パイロットランプが常に点灯する方式です。

常時点灯の回路
常時点灯では、パイロットランプを電源のLとNの間に接続します。
パイロットランプに常時電圧がかかるため、片切スイッチの状態に関係なく点灯します。
回路の考え方は次のとおりです。
負荷回路
L→片切スイッチ→負荷→N
パイロットランプ回路
L→パイロットランプ→N
負荷回路とパイロットランプ回路が、それぞれ独立して電源へ接続されています。
常時点灯の使用目的
常時点灯は、暗い場所でスイッチの位置を見つけやすくする目的で使われます。
ただし、一般住宅では、スイッチOFF時に表示灯が点灯する「ほたるスイッチ」が使用されることも多いため、器具の種類を混同しないようにしましょう。
同時点滅の結線方法
同時点滅とは、負荷がONのときにパイロットランプも点灯し、負荷がOFFのときにパイロットランプも消灯する方式です。

同時点滅の回路
同時点滅では、パイロットランプを負荷と並列に接続します。
回路の流れは次のとおりです。
L→片切スイッチ→負荷・パイロットランプ→N
片切スイッチをONにすると、負荷とパイロットランプの両方に電圧がかかります。
そのため、負荷とパイロットランプが同時に点灯します。
同時点滅の使用目的
同時点滅は、離れた場所にある負荷の運転状態を確認するときに使います。
代表的な使用例は次のとおりです。
- トイレや浴室の換気扇
- 屋外照明
- 倉庫の照明
- 機械設備
- 離れた部屋の照明
スイッチを見れば、負荷が運転しているか確認できます。
同時点滅の覚え方
同時点滅は、次のように覚えましょう。
パイロットランプを負荷と並列に接続する
負荷と同じ電圧がパイロットランプにもかかるため、2つが同時に点灯・消灯します。
異時点滅の結線方法
異時点滅とは、負荷がOFFのときにパイロットランプが点灯し、負荷がONのときにパイロットランプが消灯する方式です。

異時点滅の回路
基本的な異時点滅では、パイロットランプを片切スイッチと並列に接続します。
スイッチがOFFのときは、パイロットランプと負荷を通る小さな電流の経路ができ、パイロットランプが点灯します。
スイッチをONにすると、パイロットランプの両端がほぼ同電位になり、パイロットランプは消灯します。
異時点滅の使用目的
異時点滅は、暗い場所でスイッチの位置を見つけるために使用されます。
スイッチOFF時にパイロットランプが点灯するため、夜間でもスイッチの場所を確認できます。
異時点滅の注意点
異時点滅は、負荷を経由する微小電流を利用する方式があります。
そのため、LED照明や電子回路を内蔵した負荷では、次のような現象が起こる可能性があります。
- 照明がうっすら点灯する
- 照明が点滅する
- パイロットランプが正常に点灯しない
- 電子機器が誤動作する
使用する負荷やパイロットランプによって適合条件が異なるため、必ずメーカーの仕様と結線図を確認してください。
常時点灯・同時点滅・異時点滅の違い
3方式を整理すると次のようになります。
| 点灯方式 | パイロットランプの接続 | スイッチON時 | スイッチOFF時 |
|---|---|---|---|
| 常時点灯 | 電源L-N間 | 点灯 | 点灯 |
| 同時点滅 | 負荷と並列 | 点灯 | 消灯 |
| 異時点滅 | スイッチと並列 | 消灯 | 点灯 |
覚え方は次のとおりです。
- 常時点灯:電源と並列
- 同時点滅:負荷と並列
- 異時点滅:スイッチと並列
試験問題では、スイッチと負荷の状態を確認しながら判断しましょう。
パイロットランプとパイロットスイッチの違い
パイロットランプと似た器具に、パイロットスイッチがあります。
パイロットランプ
表示灯として独立して取り付ける器具です。
片切スイッチなどと組み合わせ、結線方法によって点灯状態を変えます。
パイロットスイッチ
スイッチと表示灯が一体になった器具です。
一般的には、スイッチON時に表示灯が点灯し、負荷の運転状態を確認できます。
商品によって定格や適合負荷が異なるため、名称だけで判断せず、仕様を確認してください。
ほたるスイッチとの違い
ほたるスイッチは、一般的にスイッチOFF時に表示灯が点灯するスイッチです。
暗い場所でスイッチの位置を見つけやすくする目的で使用されます。
| 器具 | 主な点灯状態 | 主な目的 |
|---|---|---|
| パイロットスイッチ | スイッチON時に点灯 | 負荷の運転確認 |
| ほたるスイッチ | スイッチOFF時に点灯 | スイッチ位置の確認 |
| パイロットランプ | 結線方法によって変わる | 状態表示・位置表示 |
試験では、パイロットランプ、パイロットスイッチ、ほたるスイッチを混同しないようにしましょう。
第二種電気工事士試験でのポイント
第二種電気工事士の問題でパイロットランプが出た場合は、最初に施工条件を確認します。
施工条件に次のような指定がないか探しましょう。
- 常時点灯とする
- 負荷と同時点滅とする
- 負荷と異時点滅とする
- 電線の色別を指定する
- 指定された端子へ接続する
「パイロットランプがあるから、この結線」と決めつけてはいけません。
同じ器具でも、指定された点灯方式によって結線が変わります。
複線図を書くときの手順
- 電源のLとNを書く
- 片切スイッチと負荷を配置する
- 負荷回路を完成させる
- パイロットランプの点灯方式を確認する
- 指定された方式に合わせてPLを接続する
- 電線の色と接続点を確認する
特に同時点滅では「負荷と並列」、異時点滅では「スイッチと並列」を意識しましょう。
よくある結線ミス
同時点滅と異時点滅を逆にする
点灯状態を理解せず、結線だけを丸暗記すると起こりやすいミスです。
負荷と同じ状態なら同時点滅、負荷と反対なら異時点滅と考えましょう。
施工条件を読まずに結線する
技能試験では、候補問題と本番の施工条件が完全に同じとは限りません。
必ず試験当日の施工条件を確認します。
器具の端子表示を確認しない
パイロットランプやパイロットスイッチは、商品によって端子構成が異なります。
実際の施工では器具の端子表示とメーカー結線図を確認してください。
パイロットランプの定格を確認しない
100V用、200V用、電圧検知型、電流検知型など、パイロットランプには複数の種類があります。
回路電圧や負荷に適合しない器具を使用してはいけません。
パイロットランプ結線の覚え方
最後に、3種類の覚え方を整理します。
常時点灯
電源と並列だから、いつでも点灯
同時点滅
負荷と並列だから、負荷と一緒に点灯
異時点滅
スイッチと並列だから、スイッチOFFで点灯
この3つを回路図とセットで覚えれば、試験問題にも対応しやすくなります。
まとめ
パイロットランプの基本的な点灯方式は次の3種類です。
- 常時点灯:スイッチの状態に関係なく点灯
- 同時点滅:スイッチONで負荷と一緒に点灯
- 異時点滅:スイッチOFFで点灯
結線の考え方は次のとおりです。
| 点灯方式 | 覚え方 |
|---|---|
| 常時点灯 | パイロットランプを電源と並列にする |
| 同時点滅 | パイロットランプを負荷と並列にする |
| 異時点滅 | パイロットランプをスイッチと並列にする |
単に結線を丸暗記するのではなく、「パイロットランプの両端に、いつ電圧がかかるか」を考えることが重要です。
なお、実際の施工では必ず電源を遮断し、無電圧を確認したうえで作業してください。電気工事は、法令上必要な資格を持つ人が、使用器具の説明書と設計図書に従って行う必要があります。



