
第二種電気工事士の筆記試験に合格したいけれど、
- 電気の知識がまったくない
- 計算問題が苦手
- 覚える範囲が広すぎる
- どこから勉強すればよいか分からない
- 過去問題で点数が取れない
このように悩んでいませんか?
第二種電気工事士の筆記試験は、満点を取る必要がありません。
合格に必要な問題を優先して勉強し、過去問題を繰り返せば、電気の初心者でも十分に一発合格を目指せます。
この記事では、第二種電気工事士の筆記試験に絞り、合格するための勉強手順、優先分野、過去問題の使い方、試験当日の解き方を解説します。
※現在の正式名称は「学科試験」です。本記事では、一般的に検索されることが多い「筆記試験」という呼び方も使用しています。
第二種電気工事士の筆記試験とは
第二種電気工事士の学科試験には、次の2つの受験方式があります。
- 問題用紙とマークシートを使う筆記方式
- パソコンで解答するCBT方式
どちらも出題形式や合格基準は基本的に同じです。
現在の基本的な試験内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 四肢択一式 |
| 出題数 | 50問 |
| 試験時間 | 120分 |
| 配点 | 1問2点 |
| 合格基準 | 60点 |
| 必要な正解数 | 30問 |
| 一般問題 | 30問程度 |
| 配線図問題 | 20問程度 |
50問中30問正解すれば、合格基準の60点に到達します。
つまり、20問は間違えても合格できる試験です。
ただし、本番では緊張や問題の読み間違いもあります。過去問題では、70〜80点を安定して取れる状態を目指しましょう。
試験時間や出題数は変更される場合があります。受験前に電気技術者試験センター公式サイトを確認してください。
筆記試験の本当の必勝法
第二種電気工事士の筆記試験に、誰でも必ず合格できる裏技はありません。
しかし、合格率を大きく上げる方法はあります。
それは次の5つです。
- 100点ではなく70点を目標にする
- 暗記問題から優先して勉強する
- 配線図問題を後回しにしない
- 過去問題を最低3周する
- 間違えた問題だけを繰り返す
参考書を何度も読むより、過去問題を解いて出題パターンを覚える方が合格に近づきます。
筆記試験で出題される7分野
第二種電気工事士の学科試験では、次の7分野から出題されます。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論および配線設計
- 電気機器・配線器具・材料・工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物等の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物等の保安に関する法令
すべてを同じ時間で勉強する必要はありません。
合格を優先するなら、得点しやすい分野から始めましょう。
優先して勉強するべき分野
優先順位1.器具・工具・材料
最初に覚えたいのが、電気工事で使う器具、工具、材料です。
主に次の内容が出題されます。
- スイッチ
- コンセント
- 遮断器
- 電線・ケーブル
- 電線管
- ボックス
- 圧着工具
- ワイヤーストリッパー
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 検電器
写真を見て、名称と用途を答えられるようにしましょう。
文字だけで暗記するのではなく、次の3つをセットで覚えるのがポイントです。
- 見た目
- 名称
- 使用目的
器具や工具の問題は、覚えれば得点につなげやすい分野です。
優先順位2.図記号
配線図問題を解くには、図記号の暗記が必要です。
特に次の図記号を優先して覚えましょう。
- 片切スイッチ
- 3路スイッチ
- 4路スイッチ
- パイロットランプ
- コンセント
- 接地極付コンセント
- 引掛シーリング
- ランプレセプタクル
- 配電盤・分電盤
- ジョイントボックス
- 接地
- 電力量計
図記号は毎日少しずつ確認してください。
一覧表を一度見るだけでは覚えられません。問題を解きながら、間違えた図記号を繰り返し確認しましょう。
優先順位3.施工方法
施工方法では、工事ごとの決まりや使用できる材料が問われます。
主な内容は次のとおりです。
- 金属管工事
- 合成樹脂管工事
- ケーブル工事
- 金属線ぴ工事
- 接地工事
- 地中電線路
- 湿気や水気のある場所の工事
- 電線と器具の接続
- 電線管の支持
- ボックスの使用
施工方法は暗記量が多いですが、過去問題では似た内容が繰り返し出題されます。
間違えた選択肢についても、「どこが間違っているのか」を確認しましょう。
優先順位4.検査方法
検査方法では、次の測定や試験が出題されます。
- 絶縁抵抗測定
- 接地抵抗測定
- 導通試験
- 極性確認
- 検電
- クランプメーターによる電流測定
測定器の名称だけでなく、何を測定するのか、どのように接続するのかも確認してください。
優先順位5.法令
法令問題は、覚えれば得点できる分野です。
主に次の内容が出題されます。
- 電気工事士法
- 電気用品安全法
- 電気設備技術基準
- 電気工事士でなければできない作業
- 電気工事士でなくてもできる軽微な作業
- 電気工事業者に関する表示
- 電気用品のマーク
数字や条件をセットで覚えましょう。
優先順位6.配線図
配線図問題は約20問出題されるため、後回しにしてはいけません。
配線図問題で確認したい内容は次のとおりです。
- 図記号
- 電線・ケーブルの種類
- 配線器具
- 接地工事
- 電線の本数
- リングスリーブ
- 差込形コネクタ
- 複線図
- 施工方法
- 必要な資格
配線図は、暗記だけでは解けない問題もあります。
単線図から配線の流れを読み取り、必要な電線本数を数える練習が必要です。
技能試験でも必要になるため、学科試験の段階で理解しておきましょう。
優先順位7.計算問題
計算問題が苦手でも、すべて捨てるのはおすすめしません。
基本公式へ数字を代入するだけで解ける問題があるからです。
最低限覚えたい内容は次のとおりです。
- オームの法則
- 電力
- 電力量
- 直列回路
- 並列回路
- 合成抵抗
- 電圧降下
- 単相2線式
- 単相3線式
- 許容電流
- 力率
難しい計算問題は後回しで構いません。
まずは、公式を1つ使うだけで解ける基本問題を取れるようにしましょう。
筆記試験のおすすめ勉強順序
初心者は、次の順序で勉強するのがおすすめです。
- 器具・工具・材料
- 図記号
- 施工方法
- 検査方法
- 法令
- 配線図
- 基本計算
- 過去問題
- 間違えた問題の復習
最初から難しい計算問題へ進むと、勉強が嫌になりやすくなります。
まずは写真鑑別や図記号など、覚えれば正解できる問題から始め、得点できる感覚をつかみましょう。
過去問題は何年分解くべき?
最低でも過去5年分、可能であれば10回分程度の問題を解きましょう。
ただし、多くの問題へ1回ずつ挑戦するより、同じ問題を繰り返して理解する方が重要です。
おすすめは、過去問題を3周する方法です。
1周目|答えを確認しながら理解する
最初は点数を気にする必要はありません。
答えや解説を確認しながら、出題パターンを把握します。
間違えた問題には印を付けましょう。
2周目|答えを見ずに解く
2周目は、自力で問題を解きます。
正解した問題でも、理由を説明できない場合は復習対象です。
正解番号だけを暗記しないよう注意してください。
3周目|間違えた問題だけ解く
3周目は、1周目と2周目で間違えた問題を中心に解きます。
すでに理解している問題を何度も解くより、苦手問題へ時間を使う方が効率的です。
公式の過去問題は、電気技術者試験センターの問題・解答ページで確認できます。
間違いノートの作り方
過去問題で同じ間違いを繰り返す人は、間違いノートを作りましょう。
記録する内容は次の4つだけで十分です。
- 問題の分野
- 間違えた理由
- 正しい答え
- 覚えるポイント
問題文をすべて書き写す必要はありません。
例えば、次のように簡潔に記録します。
3路スイッチの図記号を4路スイッチと間違えた。
黒点が3路、黒点が4路のものが4路スイッチ。
図記号一覧を翌日もう一度確認する。
試験前は、新しい問題集へ手を出すより、この間違いノートを復習する方が効果的です。
8週間の勉強スケジュール
試験まで2か月ある場合のスケジュール例です。
| 期間 | 勉強内容 |
|---|---|
| 1週目 | 器具・工具・材料 |
| 2週目 | 図記号・配線器具 |
| 3週目 | 施工方法 |
| 4週目 | 検査方法・法令 |
| 5週目 | 基本計算 |
| 6週目 | 配線図・複線図 |
| 7週目 | 過去問題1周目・2周目 |
| 8週目 | 過去問題3周目・弱点補強 |
平日は30〜60分、休日は1〜2時間を目安に勉強します。
重要なのは、休日にまとめて勉強するのではなく、短時間でも毎日問題へ触れることです。
4週間で合格を目指す短期スケジュール
試験まで1か月しかない場合は、参考書を最初から読む時間はありません。
過去問題を中心に進めましょう。
| 期間 | 勉強内容 |
|---|---|
| 1週目 | 器具・工具・材料・図記号 |
| 2週目 | 施工方法・検査・法令 |
| 3週目 | 配線図・基本計算 |
| 4週目 | 過去問題と間違い直し |
毎日最低1時間、休日は2〜3時間を確保したいところです。
難しい計算問題より、暗記問題と配線図問題を優先してください。
合格が近いか確認する目安
過去問題で次の状態になれば、合格が見えてきます。
- 70点以上を3回連続で取れる
- 異なる試験回でも70点を超える
- 図記号をほとんど間違えない
- 器具・工具の写真を見て名称と用途が分かる
- 基本公式を見ずに使える
- 配線図から必要な電線本数を数えられる
- 見直しを含めて120分以内に解ける
同じ問題だけで高得点を取れても、本番で対応できるとは限りません。
年度や試験回を変えて、実力を確認しましょう。
筆記試験で落ちる人の特徴
参考書を読むだけで満足する
参考書を読んで理解したつもりでも、問題を解けるとは限りません。
勉強時間の半分以上を、過去問題や練習問題に使いましょう。
難しい計算問題に時間を使いすぎる
難問1問を理解するために1時間使うより、暗記問題を10問覚える方が合格には近づきます。
基本計算は練習し、難しい問題は後回しにしましょう。
配線図を後回しにする
配線図問題は出題数が多いため、捨てると合格が難しくなります。
図記号から始め、少しずつ電線本数や複線図へ進みましょう。
過去問題を1回しか解かない
一度正解した問題でも、数日後には忘れます。
過去問題は最低3周し、知識を定着させましょう。
正解番号だけを覚える
過去問題の選択肢の順番は、本番で変わる可能性があります。
正解が「イ」だったと覚えるのではなく、なぜ正しいのかを理解してください。
勉強する日としない日の差が大きい
1週間に1回だけ3時間勉強するより、毎日30分勉強する方が効果的です。
短時間でも、勉強しない日を減らしましょう。
筆記方式とCBT方式はどちらがよい?
どちらが有利かは、受験者の性格によって異なります。
筆記方式が向いている人
- 問題用紙へ書き込みたい
- 計算を紙の余白で行いたい
- パソコン操作が苦手
- 紙の問題集で勉強している
CBT方式が向いている人
- 試験日時や会場を選びたい
- パソコン操作に慣れている
- 画面上の問題でも集中できる
- 早めの日程で受験したい
CBT方式では、申込みとは別に試験会場と日時の予約が必要です。
予約を忘れると受験できないため、申込後の手続きを必ず確認してください。
CBT方式を選ぶ場合は、事前に公式のCBT体験版を操作しましょう。
試験1週間前にやること
試験1週間前は、新しい参考書や問題集へ手を出さないでください。
次の内容へ集中します。
- 過去問題を本番と同じ時間で解く
- 間違いノートを確認する
- 図記号を総復習する
- 器具・工具・材料の写真を確認する
- 基本公式を確認する
- 法令の数字を確認する
- 配線図問題を解き直す
この時点で過去問題が60点未満なら、難しい計算問題は一旦後回しにし、暗記分野を集中的に復習しましょう。
試験前日の過ごし方
試験前日に長時間勉強しても、大幅な点数アップは期待できません。
次の確認だけに絞りましょう。
- 間違いノート
- 図記号
- 重要公式
- 法令の数字
- よく間違える問題
- 試験会場と開始時間
- 受験票・本人確認書類・筆記用具
夜更かしせず、十分な睡眠を取ることも試験対策です。
持参品は受験方式や年度によって異なる可能性があるため、受験票と公式案内を確認してください。
試験当日の問題の解き方
1.暗記問題から確実に解く
最初から順番に解いても構いませんが、難しい問題で止まらないようにしましょう。
器具、工具、材料、図記号など、すぐに分かる問題を確実に取ります。
2.分からない問題は飛ばす
1問に時間を使いすぎてはいけません。
分からない問題には印を付け、後から戻りましょう。
50問中30問正解すれば合格基準へ到達します。
難問に執着する必要はありません。
3.問題文の条件を確認する
特に注意したい表現は次のとおりです。
- 正しいもの
- 誤っているもの
- 適切なもの
- 不適切なもの
- 使用できるもの
- 使用できないもの
問題を理解していても、条件を読み間違えると不正解になります。
否定表現には丸を付けるなど、自分なりの対策を決めておきましょう。
4.計算問題は式を書く
暗算だけで解くと、数字や単位を間違えやすくなります。
使用した公式と途中の計算を問題用紙の余白へ書きましょう。
CBT方式では会場から提供されるメモ用紙などを使い、計算過程を残します。
5.未回答を残さない
四肢択一式なので、分からない問題でも必ずどれかを選びましょう。
最後に未回答がないか確認してください。
6.最低10分は見直す
見直しでは、次の順番で確認します。
- 未回答がないか
- 問題番号と解答欄がずれていないか
- 「正しい・誤っている」を読み間違えていないか
- 計算結果と単位が正しいか
- 迷った問題を再確認する
筆記方式では、マークシートの記入位置がずれていないかも確認しましょう。
本当の必勝法は過去問題の反復
第二種電気工事士の筆記試験に合格するため、特別な裏技は必要ありません。
必要なのは、次の勉強を繰り返すことです。
- 得点しやすい暗記分野から始める
- 図記号を覚える
- 配線図問題を後回しにしない
- 基本的な計算問題を取る
- 過去問題を最低3周する
- 間違えた理由を確認する
- 70点以上を安定して取る
参考書を読んで安心するのではなく、実際に問題を解いてください。
今日から過去問題を10問解き、間違えた問題を1つ覚えるだけでも合格へ近づきます。
まとめ
第二種電気工事士の筆記試験必勝法は、次のとおりです。
- 100点ではなく70点を目標にする
- 器具・工具・材料から覚える
- 図記号と配線図を後回しにしない
- 計算問題は基本問題を優先する
- 過去問題を最低3周する
- 間違いノートを作る
- 異なる過去問題で70点以上を3回取る
- 分からない問題に時間を使いすぎない
- 問題文の否定表現を見落とさない
- 最後に未回答と解答欄を確認する
第二種電気工事士の筆記試験は、勉強した分だけ点数が伸びやすい試験です。
満点を目指して難問に悩むより、合格に必要な30問を確実に取る勉強をしてください。
得点しやすい分野と過去問題を繰り返し、70点を安定して取れる状態を作ることが、一発合格への最短ルートです。



