
第二種電気工事士の学科試験を勉強していると、最初につまずきやすいのが計算問題です。
なかでも「V」「I」「R」といった記号が出てくるだけで、難しく感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、オームの法則は計算問題のなかでも比較的得点しやすい分野です。
私は高校1年生のときに第二種電気工事士を受験しました。当時、複雑な交流回路は部分的に諦めましたが、直流回路と基本的なオームの法則は解くようにしていました。
オームの法則は、掛け算と割り算ができれば解けます。難しい計算問題をすべて攻略しなくても、基本問題は得点源にできます。
この記事では、オームの法則を中学2年生の理科レベルから、できるだけわかりやすく解説します。
オームの法則とは
オームの法則とは、電圧・電流・抵抗の関係を表す法則です。
基本となる公式は、次のとおりです。
電圧=電流×抵抗
V=I×R
それぞれの記号には、次の意味があります。
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| V | 電圧 | V(ボルト) |
| I | 電流 | A(アンペア) |
| R | 抵抗 | Ω(オーム) |
電流は電圧が高くなるほど大きくなり、抵抗が大きくなるほど小さくなります。
水の流れに置き換えるとわかりやすい
電気の流れを水道に置き換えると、関係をイメージしやすくなります。
・電圧:水を押し出す力
・電流:流れる水の量
・抵抗:水の流れにくさ
水を押し出す力が強くなれば、流れる水の量は増えます。
反対に、水道管が細くなって水が流れにくくなると、流れる量は減ります。
電気でも、電圧が高くなると電流は増え、抵抗が大きくなると電流は減ります。

※水道の例は、電圧・電流・抵抗の関係を理解するためのイメージです。電気と水が完全に同じ仕組みという意味ではありません。
オームの法則で使う3つの公式
オームの法則では、求めるものによって公式を使い分けます。
電圧を求める公式
V=I×R
電圧を求めるときは、電流と抵抗を掛けます。
例として、2Aの電流が30Ωの抵抗に流れている場合を計算してみましょう。
V=2×30
V=60V
答えは60Vです。
電流を求める公式
I=V÷R
電流を求めるときは、電圧を抵抗で割ります。
100Vの電源に20Ωの抵抗を接続した場合は、次のようになります。
I=100÷20
I=5A
答えは5Aです。
抵抗を求める公式
R=V÷I
抵抗を求めるときは、電圧を電流で割ります。
100Vの回路に5Aの電流が流れている場合は、次のようになります。
R=100÷5
R=20Ω
答えは20Ωです。
公式は「V・I・Rの三角形」で覚える
3つの公式を覚えにくい場合は、V・I・Rを三角形に配置するとわかりやすくなります。

求めたい記号を指で隠すと、使用する式が残ります。
・Vを隠す → I×R
・Iを隠す → V/R
・Rを隠す → V/I
試験中に公式を忘れそうな人は、問題用紙の余白にこの三角形を書いておくと便利です。
ただし、三角形の形だけを暗記するのではなく、「電圧が高くなると電流が増える」「抵抗が大きくなると電流が減る」という関係も理解しておきましょう。
オームの法則を使った計算手順
計算問題は、次の4段階で解くと間違いにくくなります。
1.何を求める問題か確認する
最初に、問題が何を求めているのか確認します。
・電圧を求めるのか
・電流を求めるのか
・抵抗を求めるのか
求めるものが決まれば、使用する公式も決まります。
2.問題文から数値を拾う
問題文や回路図から、電圧・電流・抵抗の数値を拾います。
例えば、次のように整理します。
・電圧V=100V
・抵抗R=25Ω
・求めるもの=電流I
3.公式に数字を入れる
電流を求める公式は、I=V÷Rです。
I=100÷25
I=4A
答えは4Aとなります。
4.答えが不自然でないか確認する
計算が終わったら、答えが極端に大きくないか、小さくないか確認します。
同じ電圧なら、抵抗が大きくなるほど電流は小さくなるはずです。
計算結果が反対になっている場合は、掛け算と割り算を間違えている可能性があります。
100Vの電源と25Ωの抵抗から電流4Aを求めるオームの法則の計算図

練習問題でオームの法則を覚えよう
問題1:電流を求める
100Vの電源に、20Ωの抵抗を接続しました。流れる電流は何Aでしょうか。

使用する公式は、I=V÷Rです。
I=100÷20
I=5A
したがって、答えは5Aです。
問題2:電圧を求める
30Ωの抵抗に2Aの電流が流れています。抵抗にかかる電圧は何Vでしょうか。

使用する公式は、V=I×Rです。
V=2×30
V=60V
したがって、答えは60Vです。
問題3:抵抗を求める
100Vの回路に4Aの電流が流れています。抵抗は何Ωでしょうか。

使用する公式は、R=V÷Iです。
R=100÷4
R=25Ω
したがって、答えは25Ωです。
オームの法則で間違いやすいポイント
掛け算と割り算を逆にする
特に多いのが、電流を求めるときに電圧と抵抗を掛けてしまう間違いです。
・電圧V=電流I×抵抗R
・電流I=電圧V÷抵抗R
・抵抗R=電圧V÷電流I
迷ったら、公式三角形を使って確認しましょう。
勝利のVは一番上です。
単位を確認せず計算する
問題によっては、mAやkΩが使用されることがあります。
・1A=1,000mA
・1kΩ=1,000Ω
単位が違うまま数字を公式に入れると、答えが1,000倍ずれる場合があります。
例えば、12Vの電源に2kΩの抵抗を接続した場合、2kΩを2,000Ωに直します。
I=12÷2,000
I=0.006A
0.006AをmAに直すと、6mAです。
図7には次の内容を入れます。
・1A=1,000mA
・1kΩ=1,000Ω
・AからmAへは1,000倍
・mAからAへは1,000分の1
・kΩからΩへは1,000倍
公式だけを丸暗記する
公式だけを暗記すると、少し問題の形が変わったときに迷いやすくなります。
次の関係を理解しておくことが重要です。
・電圧が高くなると、電流は大きくなる
・抵抗が大きくなると、電流は小さくなる
この関係がわかっていれば、計算結果が正しいか確認できます。
第二種電気工事士ではオームの法則を捨てない方がよい
第二種電気工事士の学科試験は50問で、合格基準は60点です。1問2点なので、30問正解すれば合格ラインに到達します。
オームの法則は、複雑な交流回路と比べると計算手順が単純です。
そのため、計算問題をすべて捨てるのではなく、オームの法則のような基本問題は得点源にすることをおすすめします。
私が高校1年生で受験したときも、複雑な交流回路は部分的に後回しにしましたが、直流回路と基本的なオームの法則は解きました。
また、私は過去問を最初の問題から順番に解いていました。
「暗記問題から先に解いた方がよい」といわれることもありますが、毎回同じ順番で過去問を解くことで、自分なりのルーティンができたからです。
ただし、1問に時間をかけすぎる必要はありません。
計算方法がすぐに思い浮かばない問題は一度飛ばし、最後に戻って解きましょう。
試験練習では、合格ラインぎりぎりの60点ではなく、70点以上を安定して取れる状態を目標にすると安心です。
オームの法則は電気工事現場でも役に立つ
電気工事現場で、毎日のようにV=IRを使って計算するわけではありません。
しかし、電圧・電流・抵抗の関係を理解していると、電気が流れる仕組みや、電圧降下を考えるときの基礎になります。
私が肌感覚では、オームの法則そのものよりも、現場では次の計算式を使う機会が多いと感じます。
・電力P=電圧V×電流I
・電力量=電力×使用時間
・負荷容量や回路容量の確認
オームの法則は、これらの計算を理解する土台です。
試験で1問を取るためだけでなく、電気工事の理屈を理解するためにも覚えておきましょう。
直列回路と並列回路は別に覚える
抵抗が1つの回路でオームの法則を使えるようになったら、次は直列回路と並列回路に進みます。
直列回路では、抵抗を足して合成抵抗を求めます。
並列回路では、分数を使った計算が必要になるため、直列回路より少し難しくなります。
最初からすべてを一度に覚えようとせず、次の順番で学習するのがおすすめです。
1.V・I・Rの意味を覚える
2.抵抗が1つの回路を解く
3.直列回路を解く
4.並列回路を解く
5.過去問で出題形式に慣れる
合成抵抗については、別の記事で詳しく解説します。
まとめ
オームの法則は、電圧・電流・抵抗の関係を表す基本法則です。
覚える公式は、次の3つです。
・電圧:V=I×R
・電流:I=V÷R
・抵抗:R=V÷I
第二種電気工事士の計算問題をすべて攻略する必要はありません。
しかし、オームの法則は掛け算と割り算で解けるため、捨てずに得点源にしたい分野です。
まずは公式三角形を使いながら、電圧・電流・抵抗をそれぞれ求める問題を繰り返しましょう。
問題を見た瞬間に使用する公式が浮かぶようになれば、学科試験でも迷わず解けるようになります。
【関連記事】
・「計算問題をどこまで勉強すればよいか迷っている人はこちら」
→ 第二種電気工事士の計算問題は捨てても合格できる?学科試験60点攻略法



