
第二種電気工事士の勉強をしていると、
「電力と電力量の違いがわからない」
「P=VIは覚えたけど、P=I²RやP=V²/Rがごちゃごちゃになる」
「WとWh、kWとkWhで混乱する」
「時間の換算で少し考えてしまう」
という人は多いです。
実際、電力・電力量の計算は、公式そのものよりも
・何を求めるのか
・どの公式を使うのか
・単位は何か
・時間をどう直すか
でつまずきやすい分野です。
私自身も、電工二種の勉強では少しつまずきました。
ただ、P=VIを基本にして、オームの法則を代入して考えるようになってから、一気に理解しやすくなりました。
さらに、電力や電力量の考え方は試験だけで終わりません。
実際の現場では、
・機器の負荷容量計算
・ブレーカー選定
・ケーブル選定
・電気代の試算
・蛍光灯からLEDへの更新による削減効果の計算
など、かなり使う場面があります。
この記事では、第二種電気工事士を勉強中の初心者向けに、
・電力とは何か
・電力量とは何か
・P=VIの使い方
・P=I²R、P=V²/Rの考え方
・W、Wh、kW、kWhの違い
・時間換算のコツ
・試験での解き方
・実務でどう使うか
まで、わかりやすく解説します。
電力とは?
電力とは、電気がどれくらい仕事をしているかを表す量です。
単位は W(ワット) です。
例えば、100Vの回路に5Aの電流が流れているとします。
このとき、その機器が使っている電力を求めることができます。
電力は、電気機器の大きさや消費の大きさを見るときの基本になります。

電力の基本公式は P=VI
電力を求める基本公式はこれです。
P=V×I
・P=電力[W]
・V=電圧[V]
・I=電流[A]
例えば、
100Vで5A流れている機器なら、
P=100×5=500W
です。
つまり、その機器は500Wの電力を使っていることになります。
電流や電圧を求める式も覚えておこう
P=VI から、電流や電圧も求められます。
電流を求める式
I=P / V
例えば、1200Wの機器を100Vで使うなら、
I=1200 / 100=12A
です。
電圧を求める式
V=P / I
例えば、600Wで3Aなら、
V=600 / 3=200V
です。

P=I²R、P=V²/Rは丸暗記しなくてもいい
ここは初心者が混乱しやすいところですが、
私はP=VIからオームの法則を代入して解くようにしていました。
この考え方ができるようになると、かなり楽になります。
P=V²/R の作り方
オームの法則より、
I=V/R
です。
これを P=VI に代入すると、
P=V×(V/R)
なので、
P=V²/R
になります。
P=I²R の作り方
オームの法則より、
V=IR
です。
これを P=VI に代入すると、
P=(IR)×I
なので、
P=I²R
になります。
私の感覚ではこう覚えた
私は電工二種の勉強で、電力計算は少しつまずきました。
でも、
P=VIを基本にして、そこへオームの法則を入れる
という考え方が分かってから、かなり簡単になりました。
公式をバラバラに暗記するより、
「公式から公式を作れるようになる」
と理解しやすいです。


「公式を全部別々に暗記しないと…」と焦らなくて大丈夫!
問題文に何があるかで公式を選ぶ
試験で大事なのは、
どの公式を覚えているかだけではなく、
問題文に何が書いてあるかを見ることです。
使いやすい公式の目安
・電圧V と 電流I がある → P=VI
・電流I と 抵抗R がある → P=I²R
・電圧V と 抵抗R がある → P=V²/R
この見方ができると、公式選びで迷いにくくなります。
電力量とは?
電力量とは、電力をどれくらいの時間使ったかを表す量です。
単位は Wh(ワットアワー) や kWh(キロワットアワー) です。
計算式は、
電力量=電力×時間
です。
例えば、1000Wの機器を1時間使ったら、
1000Wh
です。
1000Wh は 1kWh なので、
1kWh
になります。

電力と電力量の違い
ここはとても大切です。
電力
今どれくらい電気を使っているか
→ 単位は W
電力量
それをどれくらいの時間使ったかまで含めた量
→ 単位は Wh、kWh
つまり、
・W はその瞬間の大きさ
・Wh は使った量
というイメージです。
例えば、
・電子レンジが 1000W
・その電子レンジを 1時間使うと 1000Wh=1kWh
という関係です。
W・kW・Wh・kWhの違い
ここも試験で混乱しやすいです。
覚えるべき基本
・1000W=1kW
・1000Wh=1kWh
例えば、
2000W なら 2kW
3000Wh なら 3kWh
です。
大事なのは、
W と Wh は別物
ということです。
・W → 電力
・Wh → 電力量
ここを混同しないようにしましょう。
時間換算に注意する
電力量の計算では、時間を**時間[h]**でそろえる必要があります。
私も試験中に少し考える時間が必要でした。
特に30分や45分は、一瞬止まりやすいところです。
よく使う時間換算
・15分=1/4時間
・30分=1/2時間
・45分=3/4時間
・60分=1時間
例えば、1000Wの機器を30分使ったら、
電力量=1000×1/2=500Wh
です。
500Wh は 0.5kWh でもあります。
例題
800Wの機器を45分使ったときの電力量を求めます。
45分=3/4時間
なので、
電力量=800×3/4=600Wh
です。
つまり答えは、
600Wh
になります。

第二種電気工事士での解き方の流れ
試験では、次の流れで考えると整理しやすいです。
① 何を求めるのか確認する
・電力Wか
・電力量Whか
・電流Aか
・電圧Vか
をまず見ます。
② 与えられている値を見る
・電圧V
・電流I
・抵抗R
・時間h
のどれがあるか確認します。
③ 使う公式を選ぶ
・P=VI
・P=V²/R
・P=I²R
・電力量=電力×時間
のどれを使うか判断します。
④ 時間を時間[h]に直す
30分なら 1/2時間、
45分なら 3/4時間です。
⑤ 最後に単位を確認する
答えが W なのか、Wh なのか、A なのか、V なのかを最後に確認しましょう。
例題① 電力を求める問題
100Vの回路に6Aの電流が流れているときの電力を求めます。
P=V×I
なので、
P=100×6=600W
答えは 600W です。
例題② 電流を求める問題
200Vで2000Wの機器を使うときの電流を求めます。
I=P/V
なので、
I=2000/200=10A
答えは 10A です。
例題③ 電力量を求める問題
1200Wの機器を30分使ったときの電力量を求めます。
30分=1/2時間
なので、
電力量=1200×1/2=600Wh
答えは 600Wh です。
電力の計算は現場でもよく使う
電力の計算は、試験勉強だけの話ではありません。
私の経験では、実務でもかなり使います。
特に使うのが、負荷容量計算です。
負荷容量計算での使い方
機器の仕様書には、消費電力Pが書かれていることが多いです。
例えば、
機器仕様書に 1500W と書いてあるとします。
これを100Vで使うなら、
I=P/V
なので、
I=1500/100=15A
です。
このようにして電流を求めて、
・どのブレーカーにするか
・どのケーブルサイズにするか
・回路をどう組むか
を考えていきます。

電力量の計算は電気代の試算で使う
これも現場でかなり使います。
客先から、
「この設備を入れたら毎月の電気代はいくらくらい?」
「年間だとどれくらいかかる?」
と聞かれることがあります。
そのときは、
・機器の消費電力
・使用時間
・稼働日数
・1kWhあたりの単価
から試算します。
電気代の試算例
2kWの設備を、
1日8時間、
月20日使うとします。
まず月の電力量を求めます。
電力量=2×8×20=320kWh
と求められます。
次に、仮に 1kWhあたり30円 とすると、
月額電気代=320×30=9600円
です。
さらに年間なら、
年間電気代=9600×12=115200円
です。
つまり、
・毎月 約9600円
・年間 約115200円
という試算になります。
※実際の電気料金は、基本料金や契約内容、燃料費調整額などがあるため、実際には契約条件に合わせて計算します。
LED改修では削減額の計算が受注につながる
これはかなり実務的な話ですが、現場ではとても大事です。
改修工事で、蛍光灯からLED照明へ更新する場合、
どれくらい消費電力が減るか
電気代がどれくらい下がるか
を出して、客先へ説明することがあります。
LED更新の計算例
既設照明が 40W、
更新後のLEDが 20W とします。
1台あたりの削減は、
40-20=20W
です。
これが100台あるなら、
20W×100台=2000W
つまり、
2kW削減
です。
さらに、
1日10時間、
年間250日点灯するとします。
すると年間削減電力量は、
2×10×250=5000kWh
です。
1kWhあたり30円で試算すると、
5000×30=150000円
なので、
年間15万円の電気代削減
となります。
このように数字で示せると、
「LEDに更新するとこれだけ下がります」
「何年で回収できそうです」
と説明しやすくなります。
私の経験でも、こうした試算を客先へ出して、
予算を組んでもらい、工事受注につながることがあります。
エレニャンのワンポイント②

W と Wh をごちゃまぜにしないことが大事。
さらに、30分や45分はそのまま使わず、
1/2時間、3/4時間 に直してから計算する!
よくある間違い
W と Wh を混同する
W は電力、Wh は電力量です。
意味が違うので注意しましょう。
30分をそのまま30で計算する
30分は 1/2時間 です。
45分は 3/4時間 です。
公式を全部別々に暗記しようとする
P=VIを基本にして、オームの法則を組み合わせれば理解しやすいです。
単位を最後に見ない
W なのか Wh なのか A なのか V なのか、最後に必ず確認しましょう。
まとめ
電力・電力量の計算は、第二種電気工事士の中でも重要な基礎計算です。
今回のポイントをまとめると、次の通りです。
・電力の基本公式は P=VI
・電流は I=P/V
・電圧は V=P/I
・P=V²/R、P=I²R は P=VI とオームの法則から作れる
・電力量は 電力×時間
・W と Wh は別物
・30分=1/2時間、45分=3/4時間
・現場では負荷容量計算や電気代試算、LED更新提案にも使う
第二種電工では、ただ公式を暗記するだけでなく、
「何を求めたいのか」
「どの値が与えられているのか」
「どの公式を使うのか」
を整理して考えることが大切です。
そして実務では、こうした計算が
ブレーカー選定、ケーブル選定、電気代試算、工事提案
までつながっていきます。
試験対策としても、実務の土台としても、しっかり押さえておきたい内容です。



