令和8年度上期 第二種電気工事士学科試験|配線図問題20問を徹底解説

第二種電気工事士の学科試験では、配線図を使用した問題が20問出題されます。図記号や器具の名称だけでなく、電線本数、リングスリーブ、差込形コネクタ、測定器など、複数の分野を配線図から読み取らなければなりません。

この記事では、令和8年度上期第二種電気工事士学科試験の問31~50を使い、正解だけでなく、配線図のどこを見ればよいのか、なぜほかの選択肢が違うのかまで順番に解説します。

最初に公式問題を一度解き、その後に分からなかった問題の解説を読む使い方がおすすめです。

問31~50が配線図問題です。公式問題と解答は、以下から確認できます。

令和8年度上期の配線図問題では、鉄筋コンクリート造集合住宅の一戸部分が題材になっています。電源は単相3線式100/200Vで、分電盤から回路a~gへ分岐しています。問題を解くときは、設問に示された①~⑲を配線図上で探し、その周辺にある器具、配線、傍記表示を確認します。

問題

解説

①で示されているのは、チャイムやインターホンなどに使用される小勢力回路です。

小勢力回路で使用できる電圧の最大値は60Vです。

24V・30V・40Vも60V以下ですが、この問題で問われている「最大値」ではありません。

答え

問題

②で示す部分の最少電線本数(心線数)は。

イ.3  ロ.4  ハ.5  ニ.6

解説

②の部分には、片切スイッチ「イ・ロ」と、3路スイッチ「ハ」につながる電線が通ります。

必要な電線は、スイッチへ送る電源線が1本、片切スイッチ「イ・ロ」の返り線が2本、3路スイッチ「ハ」の渡り線が2本です。

したがって、1本+2本+2本=5本となります。

答え

問題

③で示す図記号の器具の種類は。

イ.遅延スイッチ
ロ.熱線式自動スイッチ
ハ.位置表示灯を内蔵する点滅器
ニ.確認表示灯を内蔵する点滅器

解説

③で示す図記号は、スイッチの図記号に「L」が付いています。

「L」は確認表示灯を表し、照明などの負荷が動作しているときに表示灯が点灯するスイッチです。

したがって、確認表示灯を内蔵する点滅器となります。

答え

問題

④で示す図記号の器具の種類は。

イ.接地極付接地端子付漏電遮断器付コンセント
ロ.接地極付コンセント
ハ.接地極付接地端子付コンセント
ニ.接地端子付コンセント

解説

④のコンセントには「EET」と「EL」の文字が付いています。

「EET」は接地極付・接地端子付を表し、「EL」は漏電遮断器付を表します。

したがって、接地極、接地端子、漏電遮断器のすべてを備えたコンセントです。

答え

問題

⑤で示す部分にペンダントを取り付けたい。図記号は。

解説

ペンダントは、コードなどで天井からつり下げて使用する照明器具です。

ペンダントを表す図記号は、円の中央に横線を1本引いたものです。

「CL」や「CH」が入った図記号など、形が似ている照明器具の図記号と混同しないようにしましょう。

答え

問題

⑥で示す部分はルームエアコンの屋内ユニットである。その図記号の傍記表示は。

イ.B  ロ.O  ハ.I  ニ.R

解説

ルームエアコンの屋内ユニットには「I」と傍記します。

「I」はIndoor(屋内)の頭文字です。

なお、屋外ユニットにはOutdoor(屋外)の頭文字である「O」を傍記します。

答え

問題

⑦で示すコンセントの極配置(刃受)は。

解説

⑦のコンセントには「250V」と「E」が傍記されています。

「250V」は定格電圧250V、「E」は接地極付を表します。

したがって、2本の横向きの刃受と、その下に接地極がある極配置を選びます。

答え

問題

⑧で示す器具は抜け止め形の防雨形コンセントである。その図記号の傍記表示は。

イ.K  ロ.LK  ハ.L  ニ.T

解説

抜け止め形コンセントは、プラグを差し込んで回すことで抜けにくくするコンセントです。

抜け止め形コンセントの傍記表示は「LK」です。

なお、防雨形は「WP」と傍記します。

答え

問題

⑨で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として、許容される最小値[MΩ]は。

イ.0.1  ロ.0.2  ハ.0.4  ニ.1.0

解説

⑨の回路は単相3線式100/200V回路の200V側ですが、電路と大地間の電圧は100Vです。

使用電圧が300V以下で、対地電圧が150V以下の電路では、絶縁抵抗値を0.1MΩ以上とする必要があります。

したがって、許容される最小値は0.1MΩです。

答え

問題

⑩で示す図記号の器具の種類は。

イ.引掛シーリング(丸)
ロ.シーリング(天井直付)
ハ.天井コンセント(引掛形)
ニ.埋込器具

解説

⑩で示す図記号には「DL」と記載されています。

「DL」はダウンライトを表し、天井に埋め込んで取り付ける照明器具です。

したがって、器具の種類は埋込器具となります。

答え

問題

⑪で示すボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合、使用するリングスリーブの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。

ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

解説

リングスリーブは、同じ接続点に集まる電線の本数に合わせて選びます。

使用する電線はすべて1.6mmなので、選び方は次のとおりです。

  • 2~4本の接続:小スリーブ
  • 5~6本の接続:中スリーブ

⑪のボックス内を複線図にして、接続点ごとに電線の本数を数えると、小スリーブを使用する箇所が1か所、中スリーブを使用する箇所が2か所になります。

ケーブルの本数ではなく、同じ接続点に集まる心線の本数を数えるのがポイントです。

答え

問題

⑫で示す部分の配線工事に必要なケーブルは。

ただし、使用するケーブルの心線数は最少とする。

解説

⑫の部分には、2本の電線を必要とする配線が2系統通っています。

それぞれの配線に必要なのは2心なので、使用するケーブルは「VVF2心を2本」です。

問題文には「心線数は最少とする」とあるため、3心ケーブルを使用する選択肢は該当しません。

答え

問題

⑬で示す部分に取り付ける機器は。

解説

⑬の部分には、図中に「BE」と記載されています。

「BE」は漏電遮断器を表す記号です。漏電が発生したときに回路を遮断し、感電や漏電火災を防ぎます。

選択肢を見ると、漏電表示やテストボタンが付いている「ロ」が漏電遮断器です。

  • イ:配線用遮断器
  • ロ:漏電遮断器
  • ハ:漏電警報器
  • ニ:電磁開閉器

答え

問題

⑭で示す回路の負荷電流を測定するものは。

解説

負荷電流の測定には、クランプ形電流計を使用します。

クランプ形電流計は、電線を切断することなく、電線をクランプ部分で挟んで電流を測定できる計器です。

測定するときは、電源側と負荷側を流れる電流が打ち消し合わないように、電線を1本だけ挟みます。VVFケーブル全体や、往復する2本の電線を一緒に挟んでは正しく測定できません。

答え

問題

⑮で示す図記号の器具は。

解説

⑮で示されているのは、円の中に「DL」と書かれた図記号です。

「DL」はダウンライトを表します。

ダウンライトは、天井に埋め込んで取り付ける照明器具です。選択肢の中では、天井埋込形の照明器具を示している「ロ」が該当します。

答え

問題

⑯で示す図記号の器具は。

ただし、写真に示す点滅器は、「ワイド形」である。

解説

⑯で示されているのは、照明の明るさを調整するための調光器です。

調光器は、スイッチを入れたり切ったりするだけでなく、ダイヤルなどを操作して照明の明るさを変えることができます。

⑯の調光器は、リビングに設置されている「チ」のダウンライトを操作します。

選択肢の中で、明るさを調整するためのダイヤルが付いているものは「ニ」です。

答え

問題

⑰で示すボックス内の接続をリングスリーブで圧着接続した場合のリングスリーブの種類、個数及び圧着接続後の刻印との組合せで、正しいものは。

ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

また、写真に示すリングスリーブ中央の○、小、中は刻印を表す。

解説

VVF1.6の電線をリングスリーブで接続する場合は、接続する電線の本数によってスリーブの種類と刻印が決まります。

・1.6mmを2本接続:小スリーブ、刻印は「○」
・1.6mmを3~4本接続:小スリーブ、刻印は「小」
・1.6mmを5~6本接続:中スリーブ、刻印は「中」

⑰のボックス内を確認すると、2本接続が3か所、3~4本接続が1か所あります。

したがって、必要なものは小スリーブ4個で、刻印は「○」が3個、「小」が1個となります。

答え

問題

⑱で示す図記号のものは。

解説

⑱で示されている斜線入りの円の図記号は、VVF用ジョイントボックスを表します。

VVF用ジョイントボックスは、VVFケーブルを接続した部分にかぶせて保護するためのものです。

透明な合成樹脂製のものが一般的で、「ナイスハット」と呼ばれることもあります。

選択肢の中では、透明なVVF用ジョイントボックスの写真である「ロ」が該当します。

答え

問題

⑲で示すボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合、使用する差込形コネクタの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。

ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

解説

差込形コネクタは、同じ接続点に集まる電線の本数に合ったものを選びます。

⑲のボックス内を複線図にして接続本数を確認すると、2本接続が1か所、4本接続が2か所あります。

したがって、必要な差込形コネクタは、2本用が1個、4本用が2個です。

選択肢の中では、この組合せを示している「イ」が正解です。

答え

問題

この配線図の図記号で使用されていないスイッチは。

ただし、写真下の図は、接点の構成を示す。

解説

選択肢「ニ」の接点構成は、4路スイッチを表しています。

4路スイッチは、1つの照明を3か所以上から点灯・消灯するときに、2個の3路スイッチの間へ設置するスイッチです。

4個の端子があり、内部の接点が直線と交差に切り替わるのが特徴です。

この配線図には4路スイッチを使用する回路がありません。

したがって、使用されていないスイッチは「ニ」です。

答え

今回の問31~問50では、配線図の読み取り方をはじめ、図記号、傍記表示、配線方法、ケーブルの心線数、リングスリーブ、差込形コネクタ、測定器、照明器具、スイッチなどを幅広く確認しました。

配線図問題を解くときは、最初に設問番号で示された場所を探し、その周辺にある図記号や傍記表示、配線のつながりを順番に確認することが大切です。

リングスリーブや差込形コネクタの問題では、単線図を複線図に置き換え、同じ接続点に集まる電線の本数を数えます。

間違えた問題は答えだけを暗記するのではなく、「なぜこの器具になるのか」「なぜこの本数になるのか」を配線図上で確認しましょう。

配線図問題は、図記号と基本的な読み方を覚えれば得点源にできます。今回の20問を繰り返し解き、確実に点を取れる分野にしていきましょう。

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リングスリーブや差込形コネクタの接続本数で迷った人は、「電線本数・リングスリーブ・差込形コネクタの解き方」が役立ちます。

学科試験全体の勉強順を確認したい人は、「第二種電気工事士の学科試験は何から勉強する?」をご覧ください。

過去問題の出典と利用について

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そのまま掲載する画像の出典表記:出典:令和8年度上期第二種電気工事士試験(学科試験)

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